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継ぎ足しのタレとは?うなぎ屋がすべて継ぎ足しではない理由

うなぎのタレを塗る

うなぎを食べたとき、香ばしい蒲焼とともに印象に残るのが甘辛いタレです。「この味はどうやって作られているんだろう」と調べると、「秘伝のタレ」や「継ぎ足し」という言葉を目にすることがあります。

継ぎ足しは、うなぎ屋の味を受け継ぐ方法の一つです。ただし、すべての店が同じ方法でタレを作っているわけではありません。この記事では、継ぎ足しの仕組みや長く使われる理由、秘伝のタレとの違いを分かりやすく紹介します。

鰻師 卓

うなぎのタレってのは、店ごとに味も作り方も違うんでぇ。継ぎ足しも、そのひとつってわけよ!

山美世のうなぎ

継ぎ足しのタレとは?

継ぎ足しのタレ

継ぎ足しのタレとは、使って減ったタレに新しく作ったタレを加えながら、繰り返し使っていく方法です。

「創業以来○年のタレ」と聞くと、昔のタレがそのまま残っているように感じますが、実際には営業で使うたびに量が減り、新しいタレが加えられていきます。

新しいタレを加えながら店の味をつないでいく

継ぎ足しの方法や管理の仕方は店によって異なります。原材料の配合だけでなく、加熱の仕方や補充のタイミングなども含めて、それぞれの店が味を作っています。

継ぎ足しによって生まれる店ごとの個性

うなぎを焼いてタレをつける工程を重ねるなかで、タレの状態も少しずつ変化します。長く継ぎ足しを続けている店では、こうした積み重ねも味づくりの一部です。

一方で、継ぎ足しをせず、配合や作り方を守りながらタレを作る店もあります。どちらも、その店が目指す蒲焼の味に合わせた方法です。

継ぎ足しのタレはなぜ長く使える?

長年使われるタレについては、保存や管理の仕組みが気になるところです。

うなぎのタレには醤油や砂糖などが使われますが、保存性は原材料だけで決まるものではありません。塩分や糖分、水分活性、加熱、保管温度など、さまざまな条件が関係します。

長く使うために欠かせない日々の管理

継ぎ足しのタレは、ただ減った分を加えればよいというものではありません。

タレの配合と衛生管理

塩分や糖分には食品の水分活性を下げる働きがありますが、タレの配合は店によって異なります。そのため、「この材料が入っているから長期間そのままでも大丈夫」と一律に考えることはできません。

加熱や保管、容器や器具の衛生管理など、それぞれの店がタレに合わせて適切に管理することが、味を守り続けるうえでも大切です。

秘伝のタレはすべて継ぎ足し?

「秘伝のタレ」と「継ぎ足しのタレ」は、必ずしも同じ意味ではありません。

秘伝という言葉は、長く受け継いできた配合や作り方、店独自の味を指して使われることもあります。

受け継がれるのはタレそのものだけではない

醤油やみりん、砂糖などの配合や煮詰め方、仕上げ方を受け継ぐことで、店の味を守っている場合もあります。

継ぎ足しは味を受け継ぐ方法の一つ

継ぎ足しによって味をつないでいく店もあれば、その都度タレを作りながら、長年の配合や製法を守る店もあります。

そのため、うなぎ屋のタレを見るときは「何年継ぎ足しているか」だけではなく、どのような味を目指して作られているのかを知ると、それぞれの店の違いが見えてきます。

うなぎ屋によってタレの味が違う理由

蒲焼のタレには、全国共通の一つの味があるわけではありません。

甘さや醤油の風味、とろみ、焼いたときの香ばしさなど、店によって仕上がりはさまざまです。

うなぎ・焼き方・タレで決まる蒲焼の味

同じような材料を使ったタレでも、うなぎの状態や焼き方が変われば、食べたときの印象も変わります。

焼き方に合わせた店ごとの味づくり

関東では蒸しを入れてから焼く方法が広く知られ、関西では蒸さずに焼き上げる「地焼き」があります。こうした焼き方の違いも、タレとの組み合わせに関わる要素の一つです。

国産・超特大280gうなぎを使用した山美世のうな重

山美世の秘伝のタレは継ぎ足しではない

島根県松江市・大根島のうなぎ処 山美世にも、創業以来受け継いできた秘伝のタレがあります。ただし、タレを継ぎ足して使用しているわけではありません。

改良を重ねてきた山美世のタレ

山美世のタレは、開業以来、改良を重ねながら受け継いできたものです。古いタレを継ぎ足すのではなく、山美世の蒲焼に合う味を守りながら作り続けています。

地焼きと秘伝のタレで仕上げる蒲焼

山美世では、蒸しの工程を入れずに焼き上げる地焼きを受け継いでいます。仕入れた国産うなぎを大根島の地下水で泳がせ、状態を整えてから職人が一尾ずつ焼き上げ、秘伝のタレで仕上げます。

鰻師 卓

継ぎ足しも、配合を守るのも、店の味をつなぐやり方よ。そこにゃ、それぞれの店の工夫があるってもんだ!

まとめ|継ぎ足しも、店の味を受け継ぐ方法の一つ

継ぎ足しのタレは、使って減った分に新しいタレを加えながら使い続ける方法です。一方で、すべてのうなぎ屋が継ぎ足しを行っているわけではなく、配合や作り方を受け継ぐことで店の味を守る方法もあります。

山美世も継ぎ足しではなく、創業以来改良を重ねてきた秘伝のタレを使っています。蒲焼を味わうときは、焼き方とともに、店ごとに異なるタレの味にも注目してみてください。

山美世のうなぎ

届くのは、老舗の仕事。

うなぎ処 山美世 六代目店主 渡部 卓

島根県松江市にて大正時代から続く「山美世」の現当主。 代々続く秘伝のタレを守りつつ、脂を落とさず鰻本来の旨味を引き出す「地焼き(関西風)」の技術を研鑽。「鰻は生き物であり、一尾として同じ個体はない」という信念のもと、季節や個体差に合わせた火入れを徹底。

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