せっかくのうなぎをレンジでチンしておしまいなんて、もったいぜ!本当に旨ぇもんを食ってほしいからさ、職人が大切にしてるコツをちょいと覚えてってくれ。ほんのひと手間で、スーパーのうなぎが見違えるほど化けるんだから。試さねぇ手はねぇだろう?
なぜスーパーのうなぎは温め方ひとつで味が変わるのか
スーパーの店頭に並ぶうなぎの蒲焼や真空パックの商品は、私たちの食卓に手軽な贅沢を届けてくれますが、その多くは一度工場や店舗で焼き上げられ、冷却された状態で流通しています。本来、鰻という食材は火から下ろした瞬間から脂の質や身の柔らかさが刻一刻と変化していく非常に繊細なものです。スーパーで買ったうなぎがお店の味と違ってしまうのは、食材そのものの質以上に、その冷めて固まった状態を「どのようにして焼き立てのコンディションまで戻すか」という知識が一般に広まっていないことに大きな理由があります。
電子レンジによる加熱が失敗の原因になる理由
私たちが最も手軽に利用できる電子レンジですが、実はうなぎの温め直しにおいては、美味しさを損なう最大の要因となりがちです。電子レンジの仕組みは、マイクロ波によって食材に含まれる水分子を振動させ、その摩擦熱で加熱するというものです。この急激な加熱プロセスが、うなぎの身に含まれる貴重な水分を短時間で外へ追い出してしまうのです。 水分が失われたうなぎの身は、まるで干物のように繊維がギュッと縮んで固くなります。さらに、皮の部分に含まれるコラーゲン質は加熱しすぎることで粘り気を失い、ゴムのような弾力に変わってしまいます。これが、レンジで温めたあとに感じる特有の噛み切りにくさの正体です。専門店のようなふっくらとした口当たりを求めるのであれば、まずは電子レンジをメインの加熱手段から外すことが第一歩となります。
失敗しない!スーパーのうなぎをプロの味にする3つの手順
スーパーで買ってきたうなぎを、まるで専門店で提供される一皿のように蘇らせるための具体的な手順を解説します。
いいかい、レンジに放り込むより、このひと手間で確実に化けるぜ。専門店の味に近づく第一歩だ、やってみな!
手順1:熱湯で「古いタレ」をサッと洗い流す
まずは、うなぎの表面についているタレを一度ざっと洗い流します。市販のタレには保存性を高めるために粘り気が強いものが多く、それが鰻特有の臭みを閉じ込めてしまっているケースが多々あります。ザルに乗せ、熱湯を表面にサッとかけてください。タレを洗い流すことで、鰻の身をまっさらな状態へと整えることができ、後から加えるタレが浸透しやすくなります。
手順2:フライパンにアルミホイルを敷き、うなぎを並べる
タレを洗い流したうなぎの水分をキッチンペーパーで軽く拭き取り、フライパンの準備をします。ここで活躍するのがアルミホイルです。フライパンの底にアルミホイルを敷くことで、うなぎが直接フライパンに触れて焦げ付くのを防ぎます。ホイルを一度くしゃくしゃにしてから広げると、身との間にわずかな隙間ができ、熱が均一に伝わりやすくなります。
手順3:少量のお酒(料理酒)を振り、蓋をして蒸し上げる
ホイルの上に乗せたら、うなぎ1枚に対して大さじ1程度の料理酒を回しかけます。すぐにお鍋の蓋をして、弱火で2分から3分ほど蒸し焼きにしてください。お酒の蒸気が鰻の繊維の奥深くまで浸透し、アルコール分が飛ぶとともに、熱湯で落としきれなかった臭みも一緒に連れ去ってくれます。身がふっくらと持ち上がってきたら、最後に付属のタレを全体につけましょう。タレがついてない場合はあらかじめうなぎのタレを買っておいた方がいいです。
真空パックなら「湯煎」
当方、山美世のオンラインショップでお届けしているような真空パック商品は、焼きたての旨みを逃さないよう急速冷却して閉じ込めています。この鮮度を活かすには、袋のまま温める「湯煎(ゆせん)」が最も推奨される方法です。 沸騰したお湯を弱火にし、袋のまま5分から7分ほどじっくり温めてください。袋の中で蒸された状態になるため、水分を逃さずに脂がじっくりと溶け出し、身が本来の柔らかさを取り戻します。*記載がある場合はそれに従ってください。
「どうだい、真空パックなら『湯煎』、トレイなら『蒸し』。 この使い分けができるようになれば、あんたも立派な鰻通だ! 俺たちが島根で百余年守り続けてきた『地焼き』の味、 家でも最高の状態で味わってくれよな!」
山美世のうなぎ
届くのは、老舗の仕事。
まとめ:お家でのひと手間が、うなぎの「本当の旨さ」を呼び覚ます
「うなぎの旬は冬」というのは、天然うなぎにおける一つの事実に過ぎません。市場の99%を占める養殖うなぎにおいては、「一年中が旬」であり、さらに言えば「あなたが食べたいと思ったその瞬間が旬」なのです。 今回ご紹介した温め方の知見は、決してスーパーのうなぎを否定するためのものではありません。どんな状態の鰻であっても、正しい手順で「焼き立ての命」を吹き込み直せば、それは立派なご馳走になります。熱湯でお清めをし、お酒の力を借りて蒸し上げる。その数分間の手間に、鰻は必ず美味しさで応えてくれます。 私たち山美世は、夏には夏の、冬には冬の、その時期に一番輝いているうなぎを選び抜き、その日の気温や湿度に合わせて焼き加減を微調整しています。大正三年の創業から百余年、一度も蒸さずに焼き上げる「地焼き」という誇りを、今日も焼き台の前で守り続けています。



















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